家族葬が行き渡ったバックグラウンドとして、まず第一に地域のコミュニティーの異変があります。
かつては地元で勤務する方の確率が高く、産業を地域全域で盛り上げようとする地域のコネクションは、確固たるものでした。
これに対し現代にあっては、就職となりますと都心へ出ることが常識であると言えるでしょう。
それと引き換えにコミュニティーも弱まっており、葬儀にたくさんの人を呼ぶことの意味合いも希薄化してきていると考えられます。
もうひとつ背景にあるのは老人社会化といえます。
少子化で兄弟が多くない家が右肩上がりになれば、葬儀を実施するにしても一人の負担が増します。
金銭面での要因で盛大には実現できないケースも出てくるでしょう。
さらに、故人が長生きするほど、その分だけ疎遠になっていく人脈も増えます。
要するに疎遠になった人まで、葬儀に呼ぶことが求められるのかという疑問点が出ます。
こういった色々なバックグラウンドを踏まえて、家族葬はいまどきの需要に合う葬儀のスタイルということができます。